2013年12月11日

私は土地を公益法人に贈与(寄附)し、非課税の承認を受けたために、譲渡税は課されませんでした。しかしながら、寄附の後、公益法人がその土地を売り、その譲渡代金を事業経費として用いました。こうした場合に、後になって何か税金が発生してしまうのか否かを教えてください。

一旦は非課税の承認を受けているものの、その公益法人が土地を処分してしまっていて、その土地を公益目的事業の目的に利用しているということはできません。したがって、寄附をしたあなた又は公益法人に対する所得税が課されることになります。

1.公益法人等に対して財産を寄附した場合の取り扱い
 個人が、土地・建物といった資産を法人に贈与(寄附)すれば、これらの資産は寄附した際の価額(時価)により譲渡がなされたものとみなされ、これらの資産の取得時から寄附時までの値上がり益に対し、所得税が課されます。
 仮に、個人が、購入額1,000万円、時価1億円の土地を法人に寄附するとします。この場合、寄附するものについて所得税が発生するとは、通常は思わないでしょう。しかしながら、税金の計算の上では、法人等に時価1億円で土地を売った後に、その売却代金を法人に寄附したとみなされますので、この際に課される税金は、約1,800万円{(1億円-1,000万円)×20%}となります(復興特別所得税を考慮していません)。
 ただし、公益法人等にこれらの資産を寄附した場合において、次に掲げる要件の全てに該当する寄附として国税庁長官の承認を受けたときには、この所得税に関して非課税とする制度が存在します。なお、公益法人等とは、公益社団法人、公益財団法人、特定一般法人(法人税法上の一定の要件に該当する法人のことです)及びその他の公益を目的として事業を行う法人(社会福祉法人・学校法人等)のことです。
・寄附が教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与すること。
・寄附財産が、その寄附日より2年以内に寄附を受けた法人の公益を目的とする事業の用に直接供されること。
・寄附によって、寄附をした人の所得税の負担を不当に減らし、又は寄附をした人の親族その他これらの人と特別の関係がある人の相続税・贈与税の負担を不当に減らす結果にならないこと。

2.寄附後の取り扱い
 (1)非課税承認の取り消し
  非課税の承認の後においても、次のアからウまでのいずれかに当てはまる場合には、国税庁長官はその非課税の承認を取り消すことが可能です。
  ア.寄附財産が、寄附のあった日より2年を経過する日までに公益法人等の公益目的事業の用に直接供されなかった場合
 イ.寄附財産が公益法人等の公益目的事業の用に直接供されなくなった場合
  寄附財産が公益法人等の公益目的事業の用に直接供されなくなった場合として、例えば、次のようなときが挙げられます。
・公益法人等が寄附財産を譲渡し、その譲渡代金の全額を事業費として費消したとき。(一定の要
件の下で譲渡したのであれば、その譲渡代金の全額を使って、譲渡した寄附財産と同種の資産を
取得したときに限って、その買換資産を寄附財産とみなし、承認を継続します。)
・公益法人等が寄附財産(土地)を有料駐車場として用いたとき
・公益法人等が寄附財産を職員用の宿舎や保養所等の福利厚生施設として用いたとき
ウ.寄附をした人の所得税の負担を不当に減らし、又は寄附をした人の親族その他これらの人と特別の関係がある人の相続税・贈与税の負担を不当に減らす結果となる場合等に当てはまった場合
 所得税・相続税・贈与税の負担を不当に減らす結果となる場合として、例えば、公益法人等が
寄附をした人又はその親族等に対して、次の行為をし、又は行為をすると認められるときが挙げ
られます。
・公益法人等が、他の従業員と比較して正当な理由なしに過大な給料等を支払っているとき
・公益法人等が所有している施設を私事のために使用させているとき
・公益法人等が所有している財産を無償又は著しく低い価額の対価により譲渡したとき

 (2)非課税承認の取り消しの場合に課される税金
  非課税の承認が取り消されれば、次のような課税がなされます。なお、非課税承認が取り消された日の属する年の所得として所得税が課されるのが原則だといえます。
 ・上記(1)アに当てはまるなら、寄附をした人に対して、所得税が課されます。
 ・上記(1)イに当てはまるなら、公益法人等に対して、所得税が課されます。
 ・上記(1)ウに当てはまるなら、寄附財産が公益法人等の公益目的事業の用に直接供される前に承認が取り消されたときには寄附をした人に対して、直接供された後に承認が取り消されたときには公益法人等に対して、所得税が課されます。
  非課税承認取り消し時の所得金額の計算は、次のようになります。
 寄附財産の寄附時の時価-寄附財産の取得費=所得金額

3.承認の手続き
 国税庁長官による非課税の承認を受けるためには、寄附をした人が、寄附日より4ヶ月以内に、寄
附をした人の所得税の納税地の所轄税務署長に、一定の承認申請書を提出する必要があります。
posted by 相続税 at 09:42| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2013年09月20日

相続が発生したら、どのような流れで申告・納税まで進んでいくのでしょうか。教えてください。

<解答>
 債務・財産の把握とこれの承認あるいは放棄をし、被相続人の所得税の申告を行い、さらに遺産の分割を経ることで、相続税の申告・納税を行うことになるでしょう。
 相続が発生した後に必要な手続きを、以下に説明します。

(1) 被相続人の発生(相続発生)
一、 一週間以内に、死亡届を死亡診断書あるいは死亡検案書を添付して、区役所等へ提出することになります。
二、 葬式費用の領収書等の整理をします。
三、 遺言書が存在していれば、家庭裁判所で検認を受け、その後開封することになります(公正証書遺言については必要ありません)。

(2) 通夜・葬儀
四、 死因贈与契約書の有無を確認します。
五、 相続人の確認をします(被相続人と相続人の本籍地から戸籍謄本をとることになります)。相続人に未成年者がいる場合においては、家庭裁判所に特別代理人の申請をすることになるでしょう。

(3) 四十九日法要
六、 財産と債務の概要を把握し、相続するか、限定承認するか、または放棄するかを決めることになります。
※ 相続が発生したからといって必ずしも、相続しなければならないものではありません。債務額が財産額を上回っているような場合においては、相続の放棄あるいは限定承認という方法をとることも可能となります。なお、相続開始後3ヶ月以内に放棄あるいは限定承認をしない場合においては、単純承認となるでしょう。

(4) 相続放棄、限定承認(相続開始から約180日以内)
七、 確定申告義務が、被相続人にある場合においては、相続人が被相続人の死亡の年の1月1日から死亡日までの確定申告をすることになります。なお、1月1日から3月15日の間に亡くなった場合の前年の確定申告書及び準確定申告書の提出期限は共に、亡くなった日から4ヶ月以内となっています。

(5) 所得税、消費税の準確定申告と納付(相続開始後4ヶ月以内)
八、 相続人の青色申告承認申請書の提出をすることになります。期限は、死亡日が1月1日から8月31日の場合は死亡日から4ヶ月以内、9月1日から10月31日の場合は、12月31日、11月1日から12月31日の場合は、翌年の2月15日となっているようです。
九、 相続人の消費税の届出書を提出することになります。(原則として死亡の年内に提出しなければなりません。)

(6) 財産・債務を決定し、評価額を決定する。
十、 遺言が相続人の遺留分を侵害している場合においては、遺留分の減殺請求をすることが可能となります(相続開始後365日以内)
十一、 遺言所とおりに相続する場合においては、財産の名義変更手続きに移ることになります。
十二、 納税資金計画の検討をします。具体的には、物納、延納、土地売却による納税が必要かどうかを検討することになります。
十三、 農家の場合は、農業を承継する相続人を決定します。

(7) 相続の計算、申告書の作成
十四、遺産分割協議所の作成は、法律等で義務づけられているものではありませんが、不動産の相続登記をする場合の添付資料として必要となることになりますし、相続税の申告書にもその写しを添付することになりますので、遺言所がある場合を除いて、必ず遺産分割協議所を作成することになるでしょう。

(8) 納税資金の準備
十五、遺産分割が終わらない場合においては、法定相続分で相続したものとして申告することになります(ただし、未分割の場合、原則として配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例、農地の納税猶予の特例は受けることは不可能となります)。

(9) 相続税の申告と納付(相続開始後10ヶ月以内)
十六、納税資金の準備、物納、延納、土地売却等の確定をします。
十七、被相続人の死亡時の住所地を所轄する税務署に申告、納税をします。
十八、延納や物納の申請をする場合は申告と同時に行います。

(10)遺産の名義変更手続き
十九、不動産の相続登記や預貯金、有価証券等の名義書換を行います。
posted by 相続税 at 17:39| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。